2026年度 第1回タウントークを開催しました!
Date:2026.05.29
2026年度第1回タウントークを、2026年5月25日(月)18時から19時30分まで、「まちライブラリー@ちとせ」を会場に、対面とオンラインを併用したハイブリッド形式で開催しました。
今回は、「大変革時代に求められる教育を考える ― デジタル・生成AIが変える教育とは ―」をテーマに、教育現場と大学、それぞれの立場からお話しいただきました。
はじめに、南幌町立南幌中学校教諭であり、札幌国際芸術祭SIAFスクール教育喫茶アドバイザーでもある佐藤祈氏より、2018年から文部科学省が進めている「GIGAスクール構想」に基づく学校現場での取り組みについて紹介がありました。
第1期GIGAでは、一人一台端末など新たな教育環境の整備が進んだ一方で、通信環境の不具合や学校間・地域間での活用格差といった課題も見えてきたことが説明されました。現在進められている第2期GIGAでは、学習基盤を継続的に運用していくことが重要なテーマとなっています。
また、デジタル教科書を活用した学びについて、次の4点が重要であると紹介されました。
- 深い学び
- 個別最適化
- 読み上げ・拡大などの支援機能
- 学習状況の可視化
さらに、生成AIの教育利用についても解説がありました。2023年に文部科学省が公表したガイドラインでは、個人情報や著作権、偽情報への配慮を前提とした慎重な試行利用が求められていましたが、2024年度からはVer.2.0へと改訂され、情報活用能力の育成とあわせて、学校現場での具体的な活用も進められているとのことでした。
佐藤氏からは、生成AI時代の学びや教育を考える上で参考となる書籍や資料も紹介され、参加者と幅広い視点が共有されました。
続いて、公立千歳科学技術大学の曽我聡起教授より、「大学が担うAI教育の三つの階層」について講演がありました。
第一の階層では、AIそのものを理解することを重視し、データ分析やサービス設計、卒業研究などを通じてAIの仕組みや応用を学びます。
第二の階層では、AIでは代替できない「人間らしい営み」について理解を深めます。
そして第三の階層では、AIがもたらす未来社会や人類の在り方について考察します。ここでは、科学技術の背景にある思想や価値観、社会への影響を理解し、人類史における「判断の失敗」から学びながら、「判断や決断をAIに委ねるべきか」という問いに向き合う姿勢が重要であると述べられました。
また、曽我教授は、AI時代に求められる教養について次のように語りました。
「まちライブラリー@ちとせ」には、このテーマを深める書籍が多数所蔵されています。大谷和利氏の『AIネイティブ時代の学びと教育』は、AIが生活の前提となる世代を理解する上で参考になる一冊です。また、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『NEXUS』は、AI時代における人間性や自由、判断について深く考えさせられる現代の必読書です。
人工知能が飛躍的な進歩を遂げたとしても、人間の存在意義は、他者に寄り添い、場をつくり、心を通わせる力にあります。技術の進歩は、人間の尊厳を高め、より良い社会の実現に貢献するためにこそあるべきです。その意味で、教育は人類の未来を支える重要な営みであり、決して軽視してはならないのです。」
参加者からは、教育現場での実践やAI活用に関する質問も多く寄せられ、デジタル技術と人間らしい学びの在り方について考える有意義な機会となりました。
録画データはこちらから
https://www.youtube.com/playlist?list=PLa3161ByI2WOOXvEytMe5Djyl02lfNYSS