人工光で栽培した野菜の有効活用【青木研究室】
Date:2020.01.21
寒冷地での野菜栽培研究
本学 青木研究室では、寒冷地における冬季の野菜の屋内栽培環境に関する研究を行っています。最適な野菜栽培環境を構築するための評価を行うには、定量的な評価が必要ですが、人手による計測では誤差が大きく、再現性の観点から問題がありました。そこで、三次元画像計測技術の導入を行ない、植物の形状に関して定量評価が行えるようにしました。屋内栽培環境の最適化を実現するための評価技術に関する研究は、いずれは、南極基地や宇宙基地などでの植物栽培の評価につながっていくものと期待されています。
屋内で野菜を栽培するための環境として人工光の利用が考えられます。一般には、植物栽培用の人工光として、蛍光灯やLEDが利用されていますが、青木研究室では、従来の光源以外にもプラズマ発光を利用したLEP光源(Light Emitting Plasma)を導入し、植物栽培の評価に取り組んでいます。LEPは従来の光源と比較して太陽に近い特性を有し、自然に近い状態での植物栽培の実現が期待されており、上記の評価技術を用いてLEP光源の有効性の検証を行っています。
LEPで栽培された野菜
人工光での栽培比較(バジル)
野菜を有効に活用したい
この研究においては、計測が終了した野菜はすべて廃棄している状況でした。一方、市内レストラン「パスタランテ」では、夏季は自前の畑で栽培した野菜を利用したメニューを提供していますが、冬季は栽培ができなくなるため新鮮な材料確保に苦心しているという状況がありました。そこで、青木研究室の野菜を有効に活用してもらうべく2020年1月から2020年5月までの期間限定で無償提供がスタートしました。
現在提供している野菜はバジル。二週間に一度、パスタランテ様に来訪していただき、研究室の野菜を収穫してもらっています。収穫された野菜はパスタランテで調理され、メニューとして提供されています。今後は、イタリアンパセリ、ミント、大葉なども栽培予定。