CIF20 千歳科学国際フォーラム

Date:2019.10.14

公立千歳科学技術大学とホトニクスワールドコンソーシアムでは、「CIF20 千歳科学国際フォーラム」を10月14日(月)にホテルグランテラスで開催します。

今回は公立千歳科学技術大学が提唱する地域貢献プログラム「Smart Nature City ちとせ」(以下SNCちとせ)について地域の皆様とともに広く議論を進めていきたいと考え、メインテーマは地域の調和ある発展のキーとなるであろう①持続可能な社会に向けた自然との共生の知恵<北方圏の交流>と②命とくらしを守るまちづくり ~“いつもの便利”と“もしもの備え”~といたしました。
午前の国際会議CIFセッションでは、テーマ①について、専門家による招待講演を中心としたセッションとポスター発表を行います。
午後の講演はテーマ②について、千歳ゆかりの講演者による講演とパネルディスカッションを行います。
市民、事業者の皆様の多数の参加をお待ちしています。午前、午後ともに聴講は入場無料です。

開催概要

開催日2019年10月14日(月・祝)
会場ホテルグランテラス千歳
参加費無料

CIFセッション

Wisdom of coexistence with nature for a sustainable society
<interchange in the northern sphere>
持続可能な社会に向けた自然との共生の知恵 <北方圏の交流>

Invited Keynote / 招待講演

「An example of identity reconstruction of Ainu autochthony through the ceremony commemorating the return of the kamuy salmon to Hokkaido (Ashiri chiep nomi)」
「Un exemple de reconstruction identitaire de l’autochtonie aïnoue à travers la cérémonie commémorant le retour du kamuy saumon à Hokkaidô (Ashiri chiep nomi)」
「アイヌ民族による土着的アイデンティティの再構築
:北海道のアシㇼチェㇷ゚ノミ―新しい鮭を迎える儀式―を例に」
クレルク リュシアン・ロラン
Hokkaido University
北海道大学 
メディア・コミュニケーション研究院
博士(社会人類学)
特任准教授

Clercq Lucien-Laurent
クレルク リュシアン・ロラン 氏

今日の日本の人口およそ1億2623万人に対し、アイヌ民族の人口はおよそ2万5千人と公表されている。世界中の多くの先住民族と同様に、アイヌ民族もまた、文化変容によって覆われてしまった過去を、再び自分たちの手に取り戻そうと奮闘している。アイヌ民族の文化変容は主に、強引な同化政策を進めた国家権力によって引き起こされたものである。しかし、その文化変容は部分的なものにすぎず、今日アイヌ民族は、日本的なものの只中にありながら、自分たちの特殊性を十分に意識し、独自の文化的混交を力に変えながら、若い世代を中心として、自民族のアイデンティティを再構築する挑戦を行っている。その際、自民族の過去を再領有するためのよすがともなっているのが、伝統的な儀式の記憶である。とりわけ、新しい鮭を迎える儀式アシㇼチェㇷ゚ノミは、アイヌ民族の行う年中行事の一つのハイライトとなっている。 この儀式は、人間と環境との関係が良好に保たれるために、アイヌ民族が長年繰り広げてきた社会文化的でエコロジカルな闘争を、十全に体現しているのである。

※フランス語での講演。日本語逐次通訳。

■略歴

2018 35th Shibusawa-Claudel Prize, awarded in Japan and France for outstanding researches related to each other’s culture. Shibusawa-Claudel Association & Yomiuri Shinbun.
2014 – Present Specially Appointed Associate Professor (French Lecturer), Research Faculty of Media & Communication, Hokkaido University.
「Alaska: Commercial Gateway to the American Arctic」
グレッグ・ウォルフ
The Executive Director of World Trade Center Alaska,
a private, non-profit organization
NPOアラスカ世界貿易センター 
事務局長

Greg Wolf
グレッグ・ウォルフ 氏

■略歴
He is a life-long Alaskan, born in Anchorage. He also studied at the Osaka University of Foreign Studies in Osaka, Japan. Wolf attended the University of Colorado and the American College in Paris, France before receiving his Bachelor’s degree in Business Administration from Antioch College in 1980. Wolf worked in Japan for the State of Alaska from 1991 to 1993. At the State’s trade office in Tokyo.From 1993 to 1998, Wolf was the Vice President and Director of Overseas Projects for the Anchorage Economic Development Corporation.Prior to joining WTCAK, Wolf served as Director of the State of Alaska’s Division of International Trade and Market Development.Wolf is the Executive Director of World Trade Center Alaska, a private, non-profit organization whose mission is to assist Alaskans to compete successfully for trade and investment in the global market place. He has held this position since December 2002.
アンカレッジ生まれ、アラスカ育ち。1980年、アンティオーク カレッジ(オハイオ)卒業。1989-1991年、日本国文部省奨学生。マーケティングと日本でビジネスをするアメリカ企業の管理業務を研究。1991-1993年、アラスカ州貿易事務所において東京勤務を経験、貿易専門官ののち貿易代表に昇任。1993-1998年、アンカレッジ経済開発会社の副社長兼海外プロジェクトディレクター。1998-2002年、アラスカ州 貿易及び国際市場開発部長。2002年12月より現職。

SNCセッション

Smart Nature City ちとせ
命とくらしを守るまちづくり ~“いつもの便利”と“もしもの備え”~

特別講演

「自然資本を大切にする町づくり ~SDGsとESGの視点から考える持続可能性~」
藤田 香
日経BP 日経ESG編集 シニアエディター
日経ESG経営フォーラム プロデューサー
富山大学客員教授

藤田 香 氏

産業界では自然を大切にする「自然資本経営」が広まりつつある。こうした経営はSDGs(国連の持続可能な開発目標)に貢献し、ESG投資を呼び込むことにつながる。町づくりでも、SDGsやESGの視点から持続可能性を考えることが重要になってきた。

■略歴
富山県生まれ。東京大学理学部物理学科を卒業後、日経BPに入社し、「日経エレクトロニクス」記者、世界の自然や文化を紹介する「ナショナルジオグラフィック日本版」副編集長、企業向け環境経営誌「日経エコロジー」編集委員などを経て、現職。生物多様性や自然資本、ESG投資・情報開示、SDGs、地方創生などを追っている。著書に『SDGsとESG時代の生物多様性・自然資本経営』など。環境省のSDGsステークホルダーズ会合委員や環境成長エンジン研究会委員、富山市SDGs未来都市戦略会議委員、佐渡市生物多様性普及啓発委員などを務める。富山大学客員教授、聖心女子大学非常勤講師なども務める。

招待講演

「千歳市における地域強靭化 ~“いつもの便利”と“もしもの備え”~ 」
横田 隆一
千歳市副市長
横田 隆一 氏

地震や台風、豪雨などの自然災害は大きな被害をもたらし、市民生活に大きな 影響を与えます。 このことから、千歳市では市民の命とくらしを守るまちづくりを進めており、 最近の災害事例と行政活動を紹介するとともに千歳市が取り組んでいる防災対策 としてハード対策とソフト対策をご紹介します。

■略歴
昭和53年 千歳市職員(37年)、平成27年5月1日から現職。

「動く家=スマートモデューロを活用した防災家バンク事業の概要について」
丹野 正則
株式会社アーキビジョン21
一般社団法人日本ムービングハウス協会

丹野 正則 氏

首都直下型地震や南海トラフ等、超大規模災害に備えて、通常時は、インバウンド向けホテルや防災訓練研修所等に使用され、いざ災害が発生すれば被災地へ緊急住宅レスキューを行うことをテーマに、防災家バンク事業を展開中。

■略歴
昭和46年3月北海道立札幌東高校卒業。昭和50年3月北海学園大学工学部建築学科卒業。昭和57年3月株式会社イワクラホーム退社。昭和59年4月株式会社アーキビジョン21設立、現在に至る。

「持続可能な千歳の創造に向けて」
三澤 計史
一般社団法人千歳青年会議所 顧問
三澤 計史 氏

本年度千歳青年会議所にて行っているSDGsの推進に関わる取り組みの事例と、昨年北海道胆振東部地震が発災した際に青年会議所として行った支援活動について説明致します。

■略歴
1982年山梨県勝沼町(現・甲州市)生まれ。高校卒業後、実家の中央葡萄酒(株)に勤務。2005年に渡米し、デアンザカレッジ、サンノゼ州立大学(化学専攻)に学び、現地アパレル輸入・小売業者に就職。2011年に帰国し、中央葡萄酒(株)から分社、設立された北海道中央葡萄酒(株)に勤務。2012年4月に同社代表取締役就任。2017年には(一社)千歳青年会議所理事長も務める。2018年に(公社)日本青年会議所 北海道地区協議会 北海道創生室室長として北海道胆振東部地震発災時の支援活動を担当。

パネルディスカッション

“日常”と“非日常”から考える持続可能なSmart Nature Cityちとせ

特別講演、招待講演の4名の講師とともに地域の現在と未来について議論します。

モデレータ

公立千歳科学技術大学 特任教授 下村 政嗣

パネリスト

藤田 香 氏、横田 隆一 氏、丹野 正則 氏、三澤 計史 氏