オープンサイエンスパーク千歳 12月3日報告書
Date:2020.01.20
12月3日(火)、支笏湖ビジターセンターレクチャールームにおいて、今年度第二回のオープンサイエンスパーク千歳 「支笏湖デザインプロジェクト発足記念講演会」を開催いたしました。休館日にもかかわらず支笏湖ビジターセンターのご好意で会場を提供して頂き、天候にも恵まれた中、約40名の皆様が参加されました。
まず、プロジェクトリーダーである曽我聡起教授から、支笏湖デザインプロジェクトの概要についての説明がありました。美笛川の河口からの支笏湖湖畔の絶景がCOOL JAPAN AWARD 2019を受賞した支笏湖の魅力を、拡張現実(AR)などの最先端技術を駆使して発信することで、豊かな自然がもたらす生態系サービスに基づく持続可能な地域つくりを目指しています。支笏湖・山線プロジェクト実行委員会の木下宏事務局長は、国立公園指定70周年を迎えて”温故創新”を目指した「支笏湖・山線プロジェクト」の概要と、“山線”の愛称を持つ王子軽便鉄道の歴史について紹介してくださいました。王子製紙が所有する水力発電所「千歳第1発電所」が稼動していたことで、支笏湖温泉街では北海道胆振東部地震時のブラックアウトを免れていたことにも言及されました。三澤明教授からは、デルタ線方式を特徴とする山線鉄橋の自動走行模型の試作、画像情報等との連携の可能性が紹介されました。HELICAM株式会社の黒田雄様には、ドローンを使った空撮の実際と、装備や法制の最新情報の紹介をして頂き、可能性の広がりをご教示下さいました。
MOSA Multi-OS Software Artistsの池田純二様からは、拡張現実を使った画像が紹介され、出席の皆様にはタブレット端末を使って山線鉄橋をSLが走行する動画などの実体験をして頂きました。映像作家の馬場ふさこ様には、苔の洞門や支笏湖のイメージを立体的な映像として表現したオリジナル作品をVRゴーグルを使って披露して頂きました。本学客員教授の川名典人先生からは、千歳市のインバウンドの現状と課題についての報告があり、観光客だけでなく市民も支笏湖を知ることが地域創成につながるとの提言を頂きました。
パネル討論では、大日本印刷株式会社の戸山款様から、王子軽便鉄道が宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のモチーフになったという説があることが紹介され、北海道開発技術センターの藤井美智子様からは、景観と観光空間づくりを目指すシーニックバイウェイの取り組みにおける支笏湖の紹介があり、MuDDler 株式会社の成田智哉様からは、MaaS(サービスとしての移動)の視野から支笏湖観光における電動キックボードの可能性について紹介がありました。
今回も多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。なお、今回の催しの様子は、12月4日の北海道新聞、12月9日の千歳民報、12月24日の日刊工業新聞に掲載されました。
また、支笏湖デザインプロジェクトの特設ホームページにもお立ち寄りください。
https://shikotsu-dp.org/