【千歳学ことはじめ vol.1】都市ランキング

Date:2018.06.13

【千歳学ことはじめ vol.1】都市ランキング

昨年7月、野村総合研究所は国内100都市を対象に成長可能性のランキングを行った。
地方創生成功の鍵を問うた調査は、ライフスタイルの多様性、移住者数、交通アクセス、産官学連携、文化財・史跡の数、まちの清潔さ、スタートアップ企業、大企業の存在、など131項目を指標として、成長性を左右する「産業創発力」を分析・評価したランキングである。

評価視点の背景として、人口減少の課題を抱えながらもインダストリー4.0に代表されるイノベーション戦略を持っているドイツの成功事例を参考にしている。
さて気になる順位は1位の東京23区に続き、福岡市、京都市、大阪市、鹿児島市と続き、札幌市は7位、9位に久留米市が入っている。久留米にルーツを持ち博多出身で札幌在住の身としては面映くもある一方、人口集中しているこれらの大都市に地方創生の鍵があるのだろうかという疑問がよぎる。

むしろ学ぶべきはドイツにあるようだ。
インダストリー4.0の背景には、都市国家ならではの地方分権と産業構造の地域分散性があると言われており、大都市ミュンヘンよりも高い生産性を有する人口20万人以下の地方都市は数多い。そんなドイツの地方都市には中小企業があり、そして必ず大学と博物館がある。

ちなみに分析対象の100都市に千歳市も入っている。大学も水族館もある千歳市は、はたして何位だろう?
気になる方は、10月21日に千歳タウンプラザにお越し下さい。

千歳科学技術大学 教授 下村政嗣
出典:千歳民報コラム「ゆのみ」(2018年6月12日号)
※この記事は千歳民報社の許可のもとに転載しております。