【千歳学ことはじめ vol.2】ナイトミュージアム

Date:2018.07.04

【千歳学ことはじめ vol.2】ナイトミュージアム

第4次産業革命とも言われるドイツのイノベーション戦略であるインダストリー4.0の背景には、地方分権化に由る政治風土と、技術を知り自然を科学する文化的風土があるようだ。
日本博物館協会の調査によるとドイツには6300あまりの博物館があり、自然史、科学技術系は1000を超える。
筆者が留学したマインツには印刷技術に関するグーテンベルグ博物館や自然史博物館が、ミュンヘンには自然科学系では世界最大級のドイツ博物館がある。
ちなみに、我が国では博物館法の設置要件を満たす登録博物館と博物館相当施設は1256、そのうち動物園や水族館等を含め自然科学や科学技術に関する施設は348である。
文部科学省の調べでは博物館類似施設をあわせると総数5690であり、ドイツに劣らない。

博物館は収集・保存したものを調査研究し展示によって教育普及する施設であるとともに、社会と科学の交流を可能とする最適にして不可欠な社会装置でもあるべきだ。
昨年、千歳科学技術大学では、サケのふるさと千歳水族館とともに「オープンサイエンスパーク千歳」と銘打ったイベントを開催した。
「こんなにすごい!!身近な生き物たち」と題した児童向け夏休みイベントと、「鮭皮から考える持続可能な包装材料:自然共生の歴史と先端の科学技術」と題した市民向けナイトミュージアムである。

今年も、地場のスイーツとワインを楽しみながら対話するナイトミュージアムを企画している。

千歳科学技術大学 教授 下村政嗣
出典:千歳民報コラム「ゆのみ」(2018年7月3日号)
※この記事は千歳民報社の許可のもとに転載しております。