オープンサイエンス・パーク千歳「インバウンドと国土強靭化」を開催

Date:2019.02.13

2月8日(金)、今年度最後のオープンサイエンスパーク千歳 「パッケージングからインバウンド、国土強靭化まで~インバウンドと国土強靭化~」が千歳水族館で開催されました。
観測史上最強の寒波襲来の中、産業界、行政、市民を含む35名が参加し、持続可能な街づくりの視点からインバウンドを活用するにあたっての課題抽出とサービスサイエンスの役割について、熱く議論されました。

基調講演では筑波大学の谷口守教授より、「生物に学ぶ都市設計」というタイトルで、都市は、循環不全や肥満、骨粗鬆症、ガンなど、生物と同じように病気になることの具体事例をご紹介いただき、さらに、持続可能な社会を目指すためにはカンフル型の地域再生は必ずしも効果が得られないこと、自己再生力を活かしながら人口に合わせた減築等も視野に入れた肥満化しない成功事例、都市の多様性とは何かなど、興味深いお話を伺いました。

北海道開発技術センターの藤井様からは、“景勝地(シーン)” × “寄り道(バイウェイ)” =“シーニックバイウェイ”の活動について、有限会社ベリーファームの加藤様からは、有機栽培のブルーベリー専門の観光農園の成り立ちから今後の問題、そしてどのように解決に向かって進んでいるのかについて、休暇村支笏湖の川崎様からは支笏湖の情報やすでに持っている資源を再発掘することで価値を付加する知恵と工夫が求められる局面にあるとのお話をいただきました。

後半は、千歳科学技術大学の小林大二准教授から「カスタマージャーニー」のタイトルで、カスタマージャーニーマップなどの例を用いてカスタマー・ジャーニーという考え方についてご説明いただき、続いて曽我聡起教授より「学生によるICTを活用した観光に関する調査と分析の紹介 -サービスサイエンス的思考のススメ」と題して、サービスサイエンスとはどのようなものかをご紹介頂いた。 最後に千歳市総務部危機管理課の古島様から「千歳市の防災と観光」のタイトルで、千歳市の防災状況、特に昨年度発生した北海道胆振東部地震ではどのように対応されたのかをご紹介いただきました。

会の締めくくりでは、シーズニーズマッチングのための課題抽出と課題解決に向けて、持続可能な開発目標(SDGs)の観点も交えモデレーターである下村教授から講師の方々に対し、バリューチェーン・マップの作成、都市・農村・自然の共存に向けた冗長性やレジリエンスの設計、災害時の行政対応評価、社会エコシステムや自然エコシステムにおけるネットワーク評価と設計、などの解析手法としてサービスサイエンスやデザイン思考を有効に活用するための質問が行われ、大幅に時間を超過する盛会のうちに終了しました。

今回も多くの方にご参加いただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

当日の様子