【千歳学ノート vol.15】「明日を考える」
Date:2020.04.24
前回,新型コロナウィルスに関するコラムを書いたが,今現在,その影響は拡大の一途を辿っている。こうした時こそ,どのような未来に繋がるかを思い描けるかが重要だと思う。つまり,多くの人々が「早くもとの生活に戻りたい」と考え,そのように行動する。これは自然なことである。だが,「もとに戻る」とは過去に帰ることだ。普段は未来へ!などと息巻いていても,なかなか思うに任せないことが多い。実は,多くの人々は過去や現在が,居心地が良いからかもしれない。確かに,未来はどんなことが起こるか全くわからない。不安に駆られるのは,当然なことだ。
新型コロナウィルスが猛威を振るう中,私が所属する大学を始め,多くの教育機関が様々な対応を始めた。その一つが授業のネットワーク配信である。学生が余裕を持って授業を受けられる教室は多くはない。一部の授業がネットワークを使ったオンライン授業として提供できれば,その教室と時間が空くことになる。これまで,技術的に確立していたオンライン授業に,いきなり脚光が浴びた。しかし,オンライン授業の魅力はこれだけではないはずだ。様々な様式のオンライン授業が登場するだろう。果たして,学生は,どのような授業を選ぶのだろう。その先に未来を見つけることはできるだろうか。あえて今,未来に向かう勇気を振り絞りたい。
公立千歳科学技術大学 教授 曽我聡起
出典:苫小牧民報コラム「ゆのみ」(2020年4月6日号)
※この記事は苫小牧民報社の許可のもとに転載しております。