【千歳学ノート vol.16】「スクリーン越しの癒しはない?」

Date:2020.05.07

【千歳学ノート vol.16】「スクリーン越しの癒しはない?」

毎度,新型コロナウィルスに関する話で恐縮である。現在,本学はキャンパスを閉鎖して立ち入りを制限している。本学をはじめ国内の多くの大学では,授業を遠隔で配信し始めた。ビデオカメラとPCやタブレットなどの機器を繋いて録画を行い,ネットで配信している。また,リアルタイムで学生と議論をしながら必要なキーワードをチャットで書き込むと,有効な資料になることが分かってきた。とはいえ,はじめての授業形式に戸惑っている教師も少なくない。そこで,インターネットを通じ,日本全国の教育関係者が公開グループでアイデアを持ち寄り,状況の把握や参考意見を出し合うことも行われている。

オンライン授業では,学習者は最低でもスマホが欲しいが,何より,インターネット回線が必要である。外出できない状況の中,音楽やゲームで寛ぐ人もいる。この先,映像再生に影響が出たり,いわゆる「パケ死」する学生が出てくることも予想される。大学としては,様々な環境下にある学生への対応に追われている。

こうした「スクリーン」越しにコミュニケーションする時代に突入したことについて,ある番組のインタビューで,国際政治学者のイアン・ブレマー氏が,「パンデミック社会になり我々は何をするべきですか?」という問いかけに「犬を飼え」と応えていた。思わず吹き出したが,要するに人々はスクリーン越しでは癒されないが,ペットは癒しを与えてくれる。大いに納得した次第である。

公立千歳科学技術大学 教授 曽我聡起

出典:苫小牧民報コラム「ゆのみ」(2020年4月27日号)
※この記事は苫小牧民報社の許可のもとに転載しております。