【千歳学ことはじめ vol.8】CIF19の報告
Date:2018.11.08
寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よう』を知る大学生は少ないだろう。
10月21日に千歳タウンプラザの「まちライブラリー」にて開催した千歳光科学国際フォーラム(CIF)特別講演会のパネルセッションで、「まちライブラリー」の提唱者である礒井純充氏が引用した、当方にとっては懐かしい書名である。
特別講演会では、まず初めに「社会と産業のパラダイム変換」と題した基調講演において、産学連携推進機構の妹尾堅一郎理事長からIoTやAIなどの技術潮流、SDGsや脱プラスチックに見られる経済・社会の動向について世界的な視点からの紹介があり、引き続き、「ランキングによる都市の“成長可能性”の可視化」と題して、野村総合研究所の小林庸至上級研究員から千歳市を含む国内100都市のランキング結果の報告があった。
さらに礒井氏から、「本を活用し、自生的につなげるまちの居場所づくり」と題して「まちライブラリー」を通したコミュニティーつくりの具体例を紹介して頂き、千歳市の人口増の取り組み成果を中心とした山口幸太郎市長の講演「みんなで夢実現」で第一部を終了した。
引き続き、川瀬正明学長の司会で講演者をパネラーに迎えて「千歳の特性を生かした街づくりの可能性」に関するパネルセッションを行った。
地域におけるシンクタンクである大学は、異分野・異業種交流のプラットフォームとして、また、ドゥタンクとして、積極的に「まち」に出るべきとの提言を頂いた。まずは、『書を持て、まちライブラリーへ』。
手前味噌だが、妹尾氏から、世界(マクロ)〜都市(メゾ)〜コミュニティー(ミクロ)の視点を持つプログラム構成は類を見ない、と褒められた。
千歳科学技術大学 教授 下村政嗣
出典:千歳民報コラム「ゆのみ」(2018年11月7日号)
※この記事は千歳民報社の許可のもとに転載しております。