【千歳学ことはじめ vol.14】公立大学

Date:2019.03.29

【千歳学ことはじめ vol.14】公立大学

3月16日、学校法人千歳科学技術大学は、私立大学として最後の卒業式を執り行なった。

平成10年、本学は、光科学部というユニークな学部を持つ理工系単科大学として開学した。
平成14年には大学大学院光科学研究科を設置、平成20年には三つの学科からなる総合光科学部に改組、平成27年には道内初の理工学部に名称変更した。
時代の流れ、社会の要請に応じて改組や名称変更を行うのは、組織を問わず世の常である
さらには、少子高齢化、とりわけ18歳人口が確実に減少する縮小ニッポンにおいて、国公立や私立を問わず、大学にとっては苦難の時代を生き残るための戦略が求められていた。
公設民営化でスタートした本学の選択は、公立化である。その経緯は、『広報ちとせ(No1068)』2019年3月号の特集「大学と、まちと。公立化の決定と広がる都市イメージ」に詳しいので、是非とも一読して頂きたい。

文部科学省の『平成30年度学校基本調査』によると、我が国には86(7)の国立大学、93(5)の公立大学、603(26)の私立大学がある(道内)。
平成になって、公立大学の数が増えている。地方の私立大学が公立化する背景には、地域創生政策に基づく地域活性化の国家戦略があると言っても過言ではない。
大学は、地域における“知の拠点”である。公立大学法人千歳科学技術大では、千歳市の財産である豊かな自然環境との調和を図り持続可能な街づくりを目指す「スマートネイチャーシティちとせ」構想を展開するために、地域連携センターを新設するとともに「千歳学」を開講する。

本学設立20年を機に、『光プロジェクトの夢 スペシャリストたちの挑戦 千歳科学技術大学』(三冬社)が刊行された。公設民営大学と大学発ベンチャー企業創設の武勇談だ。

千歳科学技術大学 教授 下村政嗣
出典:千歳民報コラム「ゆのみ」(2019年3月27日号)
※この記事は千歳民報社の許可のもとに転載しております。