【千歳学ことはじめ vol.15】千歳学

Date:2019.04.22

【千歳学ことはじめ vol.15】千歳学

4月5日、千歳市民文化センター(北ガス文化ホール)において、第一回公立千歳科学技術大学入学式が執り行われた。新たに学部生351名、編入生3名、大学院生16名が美々の学びの窓に集う。そして、公立大学の使命である「千歳学」が本格的に始動する。奇しくも「千歳学」の教本でもある『新千歳市史通史編・下巻』が発刊された。「千歳鏡」の副題を持つ上下2200頁に及ぶ大書は、平成22年3月に刊行された上巻に続き、市制施行60周年にあたる平成30年度末をもって完成したのである。千歳の自然と風土、先史、有史から今日に至る歴史、行政、産業や社会の変遷など、資料集を含む7編から構成されている。第6編部門史、第11章教育・文化財、第4項千歳科学技術大学には、本学の渡邊信幸副理事長が記述した、開学から公立化に至る経緯が記載されている(837頁〜841頁)。『新千歳市史 通史編上巻・下巻』の全文は、千歳市のホームページにアップされており、また成書として販売もされている。

私事で恐縮ではあるが、3月31日に定年をもって私立大学である学校法人千歳科学技術大学教授の任を免じられ、4月1日に公立大学法人公立千歳科学技術大特任教授を委嘱された。九州大学を皮切りにマインツ大学、東京農工大学、ミュンヘン工科大学、北海道大学、理化学研究所、東北大学、そして本学と、国立大学、国外の大学、研究所、私学、そして公立大学において教育研究の機会を得ることができた。欧米では大学を移ることは珍しいことではないが、我が国の大学教員としては稀有な経歴である。この経験を活かし比較文化論的な視点を持ちながら、「千歳学」を構築したい。ちなみに、大学を転々としたのは、“何かをしでかして”居づらくなったからではないことを明記しておく。安心してください、北大と東北大からは名誉教授の称号も頂戴しています。

公立千歳科学技術大学 特任教授 下村政嗣
出典:千歳民報コラム「ゆのみ」(2019年4月17日号)
※この記事は千歳民報社の許可のもとに転載しております。