【千歳学ノート vol.1】凝縮されたエネルギーが醸し出すワクワク感
Date:2019.06.07
新千歳空港行きの航空機左翼席に着席した私は,運良く19L/R,つまり札幌方面からほぼ真南の着陸進入ルートになると落ち着かない。緑の原生林とキラキラと輝く川や湖沼に囲まれ,タッチダウンの直前に一瞬だけ現れる,本学「公立千歳科学技術大学」のキャンパスを探すのである。
本学はこの4月から公立大学となった。これまでも本学ではノーベル賞受賞者を招いた国際フォーラムや公開講座を始めとする様々な千歳市民向けの活動を数多く行なってきたが,これからは市民と共に様々な課題に取り組むことが期待されており,我々も多いにワクワクしているところである。それは人口10万人程の千歳市が,美しい豊かな自然に恵まれ,世界有数の空港をコアに様々なテクノロジ―や,本学を始めとする高等教育機関が集積することにより,凝縮されたエネルギーが醸し出すワクワク感である。その結果,ユニークで魅力的な人々が多数このまちに集まり,様々な活動をしている。この規模のまちだと,こうした活動をする人の顔が見え,直接声をかけることができる距離にいる。これは大都市では難しく,千歳の美点である。札幌から毎日マイカーで通勤する自分にとって,6年経ってもその魅力は全く色褪せず,まちに足を運ぶたびに多くの発見がある。これは,機会を与えられた本学の学生も同様のようであり,詳しくは次回述べたい。公立千歳科学技術大学,テイクオフである。
公立千歳科学技術大学 教授 曽我聡起
出典:千歳民報コラム「ゆのみ」(2019年6月3日号)
※この記事は千歳民報社の許可のもとに転載しております。