【千歳学ノート vol.6】あれから一年 〜日常と非日常で〜
Date:2019.09.24
北海道で初めて最大震度7を記録した北海道胆振東部地震から一年が過ぎた。多くの方々が被災し,亡くなられた。改めてご冥福をお祈りする。
ゼミの学生らと被災地を訪れたのは,この6月のことだった。被害が大きかった厚真,安平,むかわなどは,本学の間近である。国道36号線から,本学に向かう交差点には「安平」が示されている。震源地に近づくと,道路の中央線が小刻みに曲がり始め,次第にその振れ幅が大きくなり,遂には途切れ,地震のエネルギーの凄まじさを実感した。「山肌がむき出しになっています」,「テレビの映像と同じだ」車内で学生らが声を上げる。自らの目で見ることで,ことの甚大さを実感してくれたと思う。
一方,震災後,すぐに行動したのが千歳の建築会社「アーキビジョン21」社だった。同社のスマートモデューロという,トレーラによる移動可能な完成型ユニット式住宅を仮設住宅として被災地に持ち込んだ。同社は,一昨年,岡山県で起こった水害の際などでも迅速に行動している。先日,同社で詳しい話を伺った。同製品を仮設住宅として用いるために,一つづつ課題を解決して,ようやく仮設住宅として利用できるようになったのだそうだ。地元のアイデアが,日常と非日常で生かされることの素晴らしさを,本学が実施する国際フォーラム「CIF20」(ホテルグランテラス千歳,10月14日)で,同社の丹野社長に詳しくお話しいただくことになっている。是非お越しいただきたい。
10月14日(月)は、午前中は国際会議セッション(CIFセッション:9時15分~12時45分)、午後は特別講演会(日本語のSNCセッション:13:25~17:00)、その後ポスターセッション、懇親会と続きます。
私たちも,日常と非日常をいかに結びつけ,強靭で柔軟な対応ができる社会の実現を研究テーマの一つと考えている。
公立千歳科学技術大学 教授 曽我聡起
出典:千歳民報コラム「ゆのみ」(2019年9月16日号)
※この記事は千歳民報社の許可のもとに転載しております。